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Vol.5
キィウイの手絞りジュース (オテル・ドゥ・スズキ・フルーツ/成城コルティ1F)
久しぶりに成城へ出かけ、新しくなった駅ビルのなかでお茶でも飲もうとカフェを探すと、
フルーツに埋もれた小さなカウンターが目にとまり、ジュースもいいかもしれない、と気楽な気持ちで座ったところ…・
フルーツを中心としたスイーツショップの片隅に作られた、5席ほどのカウンターには、
いわゆるジューサーミキサーは一台もなく、メニューを見ると、どのフルーツジュースも
いっぱい800円前後。さらに、当店では、美味しく召し上がって頂くために、ご注文を頂いてから、少々お時間を頂戴します。の文言が目に入り、休日の成城で、ひとりで気楽にジュースを飲むはずが、銀座のフルーツパーラーにやってきてしまったような…でも、お客は私ひとりだし、まぁ、一杯のジュースをゆっくり味合おうと、キィウイジュースを注文してから、読みかけの文庫本をバックから取り出した。本の文字に目をやりながらも、向こう側で始まったフルーツカットをチェックし、「どこの産地のですか?」などと聞いてみるも、「あぁ、ちょっとお待ちください」と、仕入れ伝票をチェックするという鷹揚さで、こちらの構えは完全にはぐらかされる。カットし終わった3個のキィウイが、突然視界から消え、何やら、目の前の店の人が、カウンター下方に体重をかけているので、のぞいてみると、なんと、カットしたキィウイを手で、うどん揚げ用のざるのようなもののなかで、手で搾っていたのである!はぁー、と思いながらも、今度は口には出さず、ジュースが出来あがるのを待ちながら、昔、ワインは、ぶどうを足で踏んで発酵させたなんていうことが、なぜか頭に浮かんでいた。
「どうぞ」と、出来上がったジュースをまずは一口…「おいしい!キィウイジュースって、こんなに甘いんですね」思わずこぼれた笑みに、店員さんもようやく薀蓄を語ってくれたのでした。なんでも、キィウイの場合、ジューサーミキサーで作ると、種がつぶれ、その苦味がジュースのなかにでてしまうらしい。この店では、フルーツによって、機械と手搾りとを、分けているということだった。ふくよかな店員さんのやわらかそうな手で、種をつぶさないように搾ったキィウイジュースは、写真にあるような漉し器の上で絞っているので、果肉は残っていないのだけれど、空気を含んでふんわりムースのような舌触りがして、スイーツを頂いているような、幸せな気持ちになった。
「本当は、フレンチのソースとかを作るときに使うらしいのですが」といってみせてくれた、うどん揚げ用ざるよのうなこの器具を、今度の休みに、カッパ橋に探しに行こう。
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Vol.4
暖冬といわれていた今年の冬も、大寒を過ぎ、寒さは本格化。体の芯まで冷え切ったときは、熱燗で一杯…。でも、燗酒なんて面倒だし、そもそも徳利など家にないよ、でも、おいしい日本酒の燗が飲みたい!という方におすすめなのがこれ。
ミニミニ かんすけ (株式会社 サンシン)
日本酒の燗を、湯煎で、おいしく手軽につくるための卓上お燗器。イオン効果が高く、お酒をまろやかにするという錫製のチロリ(1合)が、透明な外枠容器に入っています。この外枠容器に、熱湯を注ぎ、チロリを沈めるという仕組みです。錫は熱伝導性が高いので、1合のお酒だと、2、3分で40〜50度の燗酒が出来上がり、注ぐお湯の量を変えると、お燗の温度も変えられるので、1種類のお酒を色々な温度で飲むという、通っぽいことも簡単にできてしまうわけです。お酒にもよりますが、この時期私は、上燗(約45度)で、きりっと引き締まった味わいで飲む日本酒が好きです。外枠は2重構造になっているので、写真のように、間に葉っぱを入れたり、和紙を入れたりして、見た目も楽しく演出できます。でも、何より、電子レンジでチンした燗酒とは、比べ物にならないほどの味わいに、驚きます。そして、体も心も、ポッカポカ。もちろん、氷を入れ、冷酒クーラーとしても使えるだから、定価\7,500は絶対お買い徳!だと思います。(22/01/’08)
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こんな箱に入っています。 |
Vol.3
引き出物というと、まず思い浮べるのが結婚式だけれど、本来の意味は、祝宴などで、主人から客に贈るもの。こんなおいしい引き出物だと、主人のセンスがしっかり印象づけられる。
清壽軒(中央区日本橋小舟町)のどらやき
銀座で30周年を迎えた料理屋さんの祝宴に、常連さんのお供で出かけ、お祝いにふさわしいもてなしを受けた帰り際。手渡された引き出物は、何やらずしりと重い。酔いもまわり、いい気分で辿り着いた我が家で開けてみると、なんと大きくてりっぱなどらやきがぎっしり!パクリとひとつ口にすると、ほのかに蜂蜜の香りがするふわふわの生地は、まるで焼きたてのホットケーキのよう。なかの餡は、あぁこれが本物のあんこだねー、と思わずいいものを食べ尽くしてきたお年寄りのように、言ってみたくなるようなおいしさ。飲んだ後に頂く極上のどらやき。熱いお茶を入れて、自分の知らないところで営まれてきた、その店の30年の歴史に想像をめぐらせた秋の夜。(30/10/’06更新) |
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Vol.2
焼きたてのパンの香りで目覚める朝、一日の幸福が約束されたかのような気分になります。
こんな豊かな暮らしを運んでくれる、<パン焼き機>。もっと早く買ってもよかったな。
「ふっくらパン屋さん」
(エムケー精工株式会社)
数年前に流行っていた時は、きっとまた使わない家電製品が増えるだけ、と思い見向きもしなかったのに、今回は7800円という安さにも惹かれ、衝動買いをした。ところが、これが本当に優れもの。簡単でおいしい上に、レシピバリエーションが30種類くらいもあるのです。
夜寝る前に、炊飯器のタイマーをセットするかのごとくしておけば、翌朝には、香ばしい香りと共に、焼き立てのパンが朝食に。お米を研ぐ代わりに、小麦粉、バター、塩、砂糖、スキムミルク、お水、酵母をいれて準備完了。基本レシピの食パンが4時間余りで完成です。クルミを刻んで入れて、クルミパン、ニンジンのすりおろしを入れると、うっすらオレンジのニンジンパン。材料調合だけを自分で行い、後はすべてこの<ふっくらパン屋さん>が作ってくれるわけです。こねたり、生地をねかせたり、オーブンの温度調整をしながら焼くパンは、それはもう、究極の贅沢とは思うけれど、毎日のこととなれば、こんな簡単にできる家電製品を使わない手はない!
知ってはいても、使ってみないとわからない良さや満足。手作り派の私も、<ふっくらパン屋さん>を使ってみて、妙な手作り信仰の呪縛から離れ、TPOに合わせた便利家電製品を、もっと柔軟に暮らしに取り入れてみようと考えるこの頃です。
(10/07/'05) |
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Vol.1
「ぺちゃくちゃと騒々しいくらいの食卓こそ、優れた食卓である」という古い諺があるが、
この格言は真実であろう。……食事の間の活発な会話は、心地よいと同時に、とても体にいいのである。……沈黙のうちの食事は、いくらそれが至高のものとしても、体や精神にいいとはいえないのである。(「招客必携」より)
「招客必携」
(グリモ・ドゥ・ラ・レニエール著・伊藤文訳/中央公論新社刊)
激動のフランス革命下を生きた伝説の美食家、グリモ・ドゥ・ラ・レニエールの翻訳本。
一気に読むには息切れしそうな本ながら、食後のディジェスティフとして数ページづつ味わうと、
そう、それはまるでシガーを楽しむ時間のように、ゆっくりゆっくりと、過去と未来が交錯しながら、今を生きる自分が見えてくる。
もうすぐ見頃の桜の木の下で、時間を忘れて読んでみたい。
(04/04/'05) |
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